分化時の分化方向について
分化時は、通常は、まず骨格から分化し始める。
骨格が完成する成長期以前から徐々に分化方向の性別の特徴が現れ始め、
最終的には10代後半から20代前半くらいで完成する。
同時に、内性器も成長と共に形作られていき、第二次性長期のころに分化が完了する。
外性器に関しては、成長と共に陰核が肥大し、男性の陰茎状になっていったり、
睾丸が降りてくるため、成長の具合によっては、
突然男性になったように見える人もいる。
女性器が形作られていった場合、外性器が無性から分化したときは、
膣口が癒着したままだったり、膣の形成が不十分だったりすることもある所為で、
月経血が十分に排出されないこともあり、手術が必要になる。
外性器が既に出生時から形成されている場合、内性器が未形成でも、
その性別に将来分化することが多い(必ず分化するわけではない)ため、
最初から外性器の性別で育てられることもある。
内性器が無性だった場合から分化し始める場合は、
男女どちらか一方の性別へ分化していくことが普通。
無性から両性への性別分化は、まったく起こらないわけではないが、
両方の性別が完全に完成され、機能可能なまでに分化することはないため、
分化していないものと判断される。
内性器が両性だった場合、第二次成長と共に、男女どちらかの特徴が
特に大きく現れて、どちらか一方の性別への内分化が起こることもある。
その場合、もう一方の性別の内性器は、痕跡程度の後をとどめるか、
完全に萎縮して消滅してしまう。
外性器も両性だった場合は、性別が食い違う外性器が
そのまま残されていることもあるため、分化した性別に合わせて、
性一致手術(男性になった場合は膣閉鎖、
女性になった場合は陰茎切除等。ただし、膣は男性ホルモンの影響を受けて、
収縮して膣口が閉じたような状態になるため、あることに気づかない人もいる)を
行うことも多い。
男女どちらかの有性から両性への内分化は、まれにあるが、
この場合、正確には、もう一方の性別の内性器の働きが弱く、
一見有性型に見えているのが原因で、厳密には最初から両性型である。
両性からどちらか一方の性別への外分化に関しても、数は少ないが、
ないわけではない(ただし、膣口が開かず、癒着したままのことがあったり、
陰茎が成長しきらなかったり、精巣が正しく降りてこず停留睾丸になったりと、
トラブルが多いため、注意が必要)
外性器がどちらかの性別だった場合に、それと食い違う方向で
未形成だった内性器が分化することはあるが、
内外共に完全な男性が内外共に完全な女性へ、あるいはその逆への分化、
及び有性から無性への分化はない。
成長期までに分化せずに、体の成長が止まってから分化が完了した場合は、
途中で性別が変わったように見えるが、性別含めて変化できる
シェイプシフト能力者、及び手術やホルモン治療を除いて、
一度固定した性別が、途中で変わることも通常はない。
ただし、女性仮性半陰陽・男性仮性半陰陽等の場合は、
男性が女性(女性が男性)へ分化したように見えるケースもあるが、
これらは染色体は男女どちらかに完全に区別されるものであり、
ホルモンバランスや染色体上の酵素異常によって起こる症状の一種であるため、
染色体由来の分化とは別のものとして扱われる。
染色体レベルでの男女の違いはこちらを参照
→http://usanosuk.net/rain/texts/text2.html
分化は、体の成長に合わせてゆっくり進行し、ある日突然変わるものではない。
外見上、ある日突然変わったように見えるだけで、
特に分化が早い内部部分(骨など)は、実際はもっと幼い段階から
分化し始めている(一種の成長・発達ともいえる)
よって、成長期に分化せず、成人以降に分化する、というのは、
ホルモン不足などの理由で性器の発達が遅い、あるいは悪かったので、
分化完了が成長期に間に合わなかった、と言うことであるため、
第二次成長、あるいはそれ以前の時点で分化方向が分かれば、
ホルモン治療等で分化を促進させられることもある。
成長期以降に遅れて分化完了した場合は、既に骨格がある程度完成されているうえ、
ホルモン等の分泌量も成長期に比べれば少ないため、
外見上も性器の機能上も、不完全なことが多い。
内外性器(および骨格)と性自認は、通常は一致しており、分化する場合も、
分化後の性別が、性自認とほぼ一致するケースが多いが、
性自認と分化後の性別が食い違う場合や、性自認が完全にどちらかであっても、
(特に染色体レベルで無性の場合は100%)分化しない場合もある。
その場合、性形成手術やホルモン治療によって、
どちらかの外見に近くすることは可能だが、厳密な意味での性一致手術は行えない。
両性の場合は、どちらかの内性器の働きをホルモン治療などで人工的に弱めたり、
性一致手術を行うことにより、希望する性別への変更がほぼ可能である。
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